公益社団法人諏訪圏青年会議所 理事長所信

公益社団法人 諏訪圏青年会議所 
2018年度理事長 熊澤 純平

はじめに

 諏訪圏青年会議所は、岡谷、茅野、諏訪、下諏訪の4つの青年会議所が「諏訪はひとつ」の想いのもと2001年に統合し創立されました。「諏訪はひとつ」とは、統合以前の4つの青年会議所の時代に、先輩方がこの諏訪圏域の未来を本気で考え、時代の流れと変化をいち早く察知した中で生まれてきた想いであります。そんな先輩方の想いの結晶が、4つの青年会議所をひとつに統合させ、私たちが今活動している諏訪圏青年会議所の礎となっています。そして創立当初より、5周年、10周年、15周年とそれぞれの運動指針、行動指針の中で「諏訪はひとつ」という想いを掲げ、その想いをもとに私たちは青年会議所運動を展開してきました。
 私たちは、先輩方から引き継いだ諏訪圏青年会議所で、日々変化する時代の中、この諏訪圏域が多くの困難を乗り越え今よりも明るい豊かな未来を実現するために運動しています。しかし、諏訪圏域の未来を想う気持ちは変わらない中で、「諏訪はひとつ」という言葉は引き継がれていても、その想いは薄れてきているように感じます。現在の諏訪圏青年会議所は、創立時に現役だったメンバーは全て卒業され、統合後に入会したメンバーのみで運動しています。2020年に私たち諏訪圏青年会議所は20周年という大きな節目を迎えようとしています。20周年に向けて、私たちはもう一度「諏訪はひとつ」という想いへ立ち返り、メンバーが一丸となって「諏訪はひとつ」の想いのもと、新しい時代、これから訪れる未来を見据えた運動をしていくことが必要です。
 時代は私たちが考える以上に早く変化しています。「諏訪はひとつ」という想いは同じでも、その運動、活動、手法は時代によって変わってくるはずです。先輩方が築いてくれた「諏訪はひとつ」という揺るぎない想いのもと、今この時とこれから訪れる未来に向けた運動を展開するために、諏訪圏域を愛する青年として青年会議所運動を邁進していきましょう。

~私たちにできるまちづくり 私たちがすべきまちづくり~

 様々な非営利団体が増えている中で、青年会議所しかない時代から青年会議所もある時代と言われるようになり久しくなりました。多くの団体が私たちと同じように諏訪圏域のために活動をしています。では、私たちにとってまちづくり運動とはどのようなことでしょうか。青年会議所独自のネットワークを活用することと、6市町村の行政枠を越えて諏訪圏域を繋げる運動が出来ることは、私たちにしかできないまちづくり運動であります。
 現在日本では、人口減少と少子高齢化が問題とされて数年が経過しております。その要因として地方の若者の都心への流出と都心部の出生率の低下などが挙げられています。この問題を解決するために政府は様々な政策を打ち出してきた中で、2015年、地方創生のもとに総合戦略の策定を各地域に求めました。総合戦略とは、地方が自らの魅力を活かした地域活性化活動を行い、若者の都心への流出を防ぎ、かつその地域に移住者、定住者を増やし、日本全体の人口減少・少子高齢化に歯止めをかける政策です。今まさにどの地方においても総合戦略を立て地域活性化に向けた取り組みを実施しており、この諏訪圏域も例外ではありません。
 今、地方行政は様々なアイデアを求めています。それは、国が主導で政策を策定してきた時代から、地方行政が主体となって政策を作り上げなければならない時代になったからです。今こそ、若い感性を持つ私たちが、行政と積極的に関わり、地域の課題、問題を解決していくことが必要です。私たちには行政のような垣根はありません。そして私たち自身が地域の企業人であり住民です。地域の企業、住民と行政を繋げた若い世代を巻き込んだ運動を展開するチャンスは今しかありません。諏訪圏域の未来を担う青年として、リーダーとして、まちづくり運動を展開していきましょう。

~青年会議所運動が自らの未来を変える~

 現在、諏訪圏青年会議所メンバーは創立時の3分の1以下のメンバー数になってしまいました。これはバブル崩壊後の失われた20年と言われる長期的な経済の停滞による企業の衰退や人口減少などによる影響も重なったことが原因と考えられます。さらに20歳から40歳は、企業、組織においても教育や多くの経験を積ませる時期であり、家庭においても家族を守るためのスタート期間となる大切な時期です。このような時期に、企業、組織、家庭と同時にまちづくり運動を行うことが理解できない方も多いのかもしれません。
 それでも100名近くのメンバーがこの諏訪圏青年会議所に集っているのはなぜでしょうか。私たちの運動には、明確な理念があり、また多くの経験やスキルアップの機会があるからに他なりません。私たちの運動は、この諏訪圏域の未来の礎となるものです。それは、企業、組織、家庭にも繋がってきます。私たちの運動を正しく伝えることができれば、もっと多くの方に理解していただけるはずです。しかし、近年、経験豊富なメンバーの減少に伴い、青年会議所の理念を正しく理解するメンバーが少なくなっています。これでは、新しく仲間を募る時に青年会議所の魅力を十分に伝えることができません。
 私たちはもう一度青年会議所の理念の大切さを学び、理解した上で、多くの仲間に熱い想いを伝え、共に活動してくれる仲間が自然と増えるような運動を展開し、諏訪圏域の明るい豊かな未来を実現していきます。さらに、これらを自らの企業、組織に置き換えることにより、日々変化する時代の中において、企業、組織をより発展へと導くことが出来ると考えます。私たちは諏訪圏域においても、企業、組織においても次世代のリーダーになる青年です。自らの行動にしっかりとした理念を持つことが、諏訪圏域と自分自身の未来を変えるのです。

~子供と学ぶ 子供に学ぶ~

 現在の日本の子供には、他者への思いやりの心や迷惑をかけないという気持ちの低下、自制心や規範意識の低下、人間関係を形成する力の低下、基本的な生活習慣の乱れなどの傾向が指摘されています。このようなモラルの低下はいつの時代においても聞かれる言葉です。時代によって生活環境や価値観が変化する中で、今の子供にしかわからない社会ができてしまっています。しかし、その社会を作っているのは私たち大人です。子供に目を向けると同時に、大人にも目を向ける必要があるのではないでしょうか。
 私たちの次の世代を担うのは、今の子供です。いつの時代においても子供は地域の希望であり宝です。今の子供の状況を踏まえながら、子供がより健やかに感受性豊かな大人に育つために、他者への感謝や思いやりを持つための教育をしていくことが必要です。人はひとりでは生きていけません。子供が自分の殻に閉じこもるのではなく、自分を取り巻く環境に感謝し、他者と助け合い、コミュニケーションを取りながら生活できる大人に成長することで、人生はより豊かで華やかに彩られます。そして、子供がそんな大人に成長するためには、今の私たちが、大人として成長する必要があります。
 今の子供の問題点を指摘する前に、まずは大人が子供の手本となれているのか、子供に悪い手本になっていないか考えてみましょう。子供は自分の環境を選ぶことはできません。子供の社会を形成している大きな要因は私たち大人なのです。子供の教育を考える前に私たち大人が子供と一緒に学び手本となることで、子供とのコミュニケーションが増え、正しい教育に繋がると考えます。感謝させるのではなく自然と感謝できる大人になるために。大人と子供が共に成長することが、諏訪圏域の未来を次の世代に託すために必要なことと確信しています。

~支え合える組織であるために~

 私たちは青年会議所メンバーであると共に、職場、地域、家庭、様々な社会の中で生活をしています。その中で、時間は皆等しく24時間しかありません。多くのメンバーが限られた時間の中で、様々なバランスを考え取捨選択しながら青年会議所運動をしています。どうすれば時間を作ることができるのか、時間がない中で運動ができるのか。または、仕事、家庭のバランスが取れるのか。その答えを出すのも青年としての成長の機会であります。
 しかし、個人の範疇だけでなく、青年会議所運動の仕方を組織全体で考え、学んでいくことも同時に必要になります。メンバーが委員会などの各種会議の仕組みや意味を理解し効率化することや、例会・総会の出席方法を組織全体で考えていかなければなりません。メンバーによって職種も立場もそれぞれです。その中で、ひとりでも多くのメンバーが集い、共に活動することができれば、青年会議所運動はより強固なものとなり、地域の発展、自己の成長に繋がります。まずは組織運営を考えた活動を模索していきましょう。
 組織を変える活動と共に、職場、地域、家庭において青年会議所運動を理解してもらうことも必要です。私たちがどのような運動をしているのか理解が深まれば、職場や家庭から応援や協力を得ることができるのではないでしょうか。さらに地域の方々に私たちの運動を知っていただくことで運動の幅を広げることもできます。組織は中から変化させるだけではなく、外へ周知することでより強化されていきます。私たちの運動を円滑に行うために、私たちで今の時代にあった組織運営をしていきましょう。

~青年会議所運動を支える柱~

 私たちは2011年に公益社団法人格を取得し青年会議所運動を行ってきました。そして公益社団法人格を維持するために、毎年その事業を長野県へ報告しております。本年度はメンバー数が増えたとはいえ、近年のメンバー減少から事業における財政比率は年々厳しくなっております。公益事業比率を正しく維持し、予算準拠と事業準拠のバランスを平等な立場から審議していきます。さらに費用対効果を検証することで、これからも安定した財政基盤を築き、公益社団法人格を維持することが必要不可欠であります。
 私たちの運動は、すべてその年度の理事会にて承認され決定します。理事会の運営、管理は青年会議所運動の中枢となります。青年会議所の経験が浅いメンバーが多くを占める中で、ロバート議事法に則った理事会運営を正しく引き継ぎ、これからも青年会議所運動が責任を持って行われる組織を作っていく必要があります。さらに今まで私たち諏訪圏青年会議所が行ってきた運動や活動の資料も多く残されています。これらも私たちの大切な財産です。現在ある大切な資料を、未来へつなげるためにも、資料をまとめ、整理することが必要です。
 財政基盤の安定化と青年会議所の中枢である理事会運営は、表には見えない影の部分になりがちです。諏訪圏青年会議所がこの圏域のために運動できるのはこういった見えない活動をしているメンバーが毎年いるからに他なりません。私たちの柱となる運動が揺らぐことのない組織運営を本年度もしていきます。

~地域とふれあい、絆を深める~

 私たちは、岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、富士見町、原村の6市町村を活動エリアとしており、諏訪圏域を代表する青年としてそれぞれの市町村より協力や委嘱を受けています。これは、4つの青年会議所時代より先輩方が築いてきた市町村との絆の証とも言えます。私たちはこれからも、6市町村それぞれで活動する団体やまちづくり運動に参加、協力することで、6市町村に根ざしたより身近な運動を推進していきます。そして、これからも先輩方が築いてきた関係性を大切にし、時代に合わせた交流や関係性に発展するべく運動をしていきます。  さらに、諏訪圏域内においても生活エリアがより近いメンバー同士が交流し親交を深める部会運動を実施します。部会運動は、地域の問題解決や新入会員のフォロー、候補者の情報共有など、諏訪圏青年会議所運動を委員会以外の違った視点から学び、サポートすることができると考えます。また、部会だから出来る地域に密着した運動を展開することは、青年会議所運動を理解して頂くきっかけになり、そして「諏訪はひとつ」という想いを圏域住民へ発信する機会になります。

~災害に立ち向かえる青年であるために~

 近年、東日本大震災、熊本地震などの大地震や異常気象、集中豪雨による土砂災害など、自然災害が多発しております。いつどこで大規模な自然災害が起こっても不思議ではありません。この諏訪圏域は糸魚川ー静岡構造線と南海トラフ地震、東海地震が交差する、現在の日本で大規模な地震が起こる確率が一番高い地域です。現状ではいつか起こるこれらの災害を完全に防ぐことも予測することもできません。今私たちに出来ることは、いつ起こるかもわからない災害に対して、少しでも被害を抑える準備をすることだけです。
 このような現状を踏まえて、2014年に私たち諏訪圏青年会議所は諏訪ブロック内社会福祉協議会と災害協定を締結しました。現在、諏訪ブロック内社会福祉協議会においても、災害時の立場や行動、私たちに求められている状況は変化してきております。もう一度この災害協定を見直し、地域の中で私たち青年会議所が何をしなければならないのか、メンバー一人ひとりが学びいざという時に協力できる体制を整える必要があります。さらに、私たちは青年会議所メンバーである前に一人の青年です。災害時に個人としてどのような行動をすべきかを学ぶことも必要です。
 日頃より青年会議所としてできること、個人としてできることを考え、自分たちに何が出来るのか常に準備をしていきましょう。そして自助、共助、公助のバランスを確保し、正しい知識を持って災害という困難に立ち向かえる青年会議所であり青年になりましょう。

~私たちの「諏訪はひとつ」を創ろう~

 今から30年以上前、諏訪圏域にある4つの青年会議所が市町村の垣根を越えた活動をするために諏訪圏連邦青年会議所を設立しました。当時の諏訪圏域は、東洋のスイスと呼ばれた精密業や蓼科を中心としたリゾート地として、長野県内においても大きな成長を遂げていました。バブル全盛の何不自由なく暮らすことができた時代においても、先輩方は、中信、南信の成長の伸び率や今後の発展に危機感を覚え、諏訪圏域が今以上の発展を進め、長野県内における地域間競争に打ち勝つためには市町村の垣根を越えた「諏訪はひとつ」を実現する必要があると考えたのです。以降、先輩方は市町村合併を目指し運動を展開してきました。そして2001年に市町村合併に先駆けて4つの青年会議所がひとつに統合され、諏訪圏青年会議所が創立し、今に至っています。
 諏訪圏青年会議所が創立してから今日まで、私たちは「諏訪はひとつ」という想いのもと運動をしてきました。しかし、統合以前の先輩方が行ってきた、この諏訪圏域の未来を真剣に創造し、考え、危機感を覚え行動してきた運動と比べ、運動の内容が変化してきているのではないでしょうか。現在は時代の変化もある中で、今の諏訪圏域の中でできることを模索した運動が増えているように感じます。もちろんそれらの運動も必要です。しかし、めまぐるしく変化する社会情勢の中で、これからは長野県内のみならず日本全土から見た諏訪圏域を考えていかなければなりません。2020年に20周年という大きな節目を迎える今、10年後、20年後の日本の状況から諏訪圏域をもう一度真剣に創造し、考えた運動をして行くことが必要なのです。 
 私たちにとって「諏訪はひとつ」は変わることはありません。私たちが考える新しい「諏訪はひとつ」という想いをメンバー全員が認識し、同じ未来に向かってこれからも歩みを進めなければなりません。そのために、まずは日本の未来、そして諏訪圏域の未来を調査し、私たちにとって最善の手法や運動を研究していきます。それが、これからの私たちの運動の土台となるのです。未来を見据え、私たちの「諏訪はひとつ」を創り上げていきましょう。

STEP BY STEP 〜ふるさとの未来を見据えて〜

 私たち青年会議所メンバーは一人ひとり個性があり、おかれている環境も状況も違います。今年度、全てのメンバーが同じ喜びや辛さを持って、同じだけ歩みを進めることは難しいかもしれません。それでも同じ志を持って同じ未来へ向かって、少しでも歩みを進めることができれば、諏訪圏青年会議所はこれからもこの諏訪圏域における夢ある住み良い自立都市の創造に向かって前進することが出来ると信じています。過去を大切にすることも、今を必死で生きることも、とても大切で必要なことです。それでも私たちは、過去と今の運動に満足してはいけないのです。私たちは常に未来へのスタートラインにいます。私たちが見据えた未来が、5年後、10年後に実現して初めて、今の私たちの運動の結果として現れるのです。常に未来を考え、未来のための今を創り上げていきましょう。メンバー一人ひとりが歩むスピード、歩幅はバラバラでも構いません。私たちが見据えた未来へ向かって、メンバー全員で一歩一歩、確実に歩みを進めていきましょう。

copyright(c)2012 Junior Chamber international Suwa All Rights Reserved.